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木の命を使わせていただきます「木は触ると温かいね」 

林業家の磯上さん「お嫁をもらいに来てくれたみたいで嬉しいちゃ」 

森林にお返し 台風が迫っている日に植林しました。 

家の形が見えてきました

完成した家と共に家族は成長しています 

とやまの木の家の住み心地
上田建築設計事務所 上田 邦成さん

 

 私は2002年の春から夏にかけて自宅を“地場産材”つまり「とやまの木」(立山杉)で建替えました。完成して5年半が経とうとしていますが、室内は今なお木の香が漂い空気がとても自然な感じで気に入っています。会社にいて感じるような人工的な匂いは全くしませんし、女房もひどかった結露が全くなくなったと喜んでいます。

 

 正直言って木は節だらけですが、節を見る度に、初めて原木を見に行った時、この木を丹誠込めて育ててくださった林業家の磯上さんが「お嫁をもらいに来てくれたみたいで嬉しいちゃ」と笑顔で言っておられたことや、構造見学会に来てくださって「自分で言うのもなんだけど節だらけだなー」とはにかんでおられたこと、産地である大沢野のすばらしい風景を思い出します。 私は設計の仕事をしていますが、お恥ずかしいことにそれまで木にはあまり関心がありませんでした。図面には米マツ、米栂、スプルース、杉一等などそれが当たり前だと思ってお決まりの樹種を書いていました。米だからアメリカ産、北洋材だからロシアから来ているんだろうなとは予想できましたが、それ以上は何も考えていませんでした。

 

 そんな私が「とやまの木」で家をつくろうと思ったきっかけは、青年会議所という団体で環境問題を勉強する機会を得たからです。地球環境が悪化の一途をたどっていることを知り、節電やリサイクルなどの他に仕事上で自分にもできることはないか考えました。そこで見つけた答えが環境負荷の小さい地場の木材で家などの建物を造るということです。京都議定書では日本のCO2削減目標を1990年レベルの6%としていますが、そのうちの約4%は森林吸収を見込んでいます。成熟した森林はCO2を吸収しませんから、その活用が不可欠ということです。

 

 そんなことを考えていた時、ちょうど「とやまの木で家をつくる会」の設立総会が行われるという新聞記事を見て会場へ行き、そのまま入会しました。そして1年半後に自宅を「とやまの木で家をつくる会」で建替える決心をし、家づくりのコーディネートをお願いしたのでした。 私には3人の子どもがいて、毎日裸足でスギの床の上を歩き回っていますが、将来、「とやまの木の家で育って良かった。自分が結婚しても、とやまの木の家に住み、子どもを育てたい」と言ってくれると嬉しいなぁ、またそうなることを心から願っています。

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